見るからに健康な人間だって、何かを抱えて生きているんだ
健康診断の採血。一年に一回のこの機会は、血を採られるのが心底苦手な人間にとって、憂鬱で仕方ない時間です。
採血に苦手意識のなかった過去、献血ルームで血を抜かれながら、意識を失って気絶しかけた迷惑な人間がこの私です。
以後、横になって血を採らないと、ひどく気持ちが悪くなることが判明しました。
確かにね、顔色もいいし、血管も立派だし、なによりまるまるした肉付きのいい体。採血ぐらいどうってことない人間に見える気持ちも、分からなくはない。
でも誰だって、見えない何かを抱えながら生きているんだ。
健康診断の異常値だけを抱えて生きているわけではなく。

以上、もろこしでした!
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